オルレとは韓国済州島の方言で「家に帰る細い道」という意味のあるトレッキングコースです。海岸線や山などの自然、民家の路地などを身近に感じ、自分なりにゆっくり楽しみながら歩くことがオルレの魅力です。

ここ上天草にも九州オルレとして認定された天草・維和島コースがあり、ミステリアスな石棺古墳群やのどかな果樹園を横目に高山を過ぎれば、6500年前の地層がむき出しになった外浦自然海岸で心地よい波音がリズムを刻みます。

普段の喧騒から離れ、ゆっくりと歩を進める時間は、上天草の豊かな自然を満喫しながら自分とも向き合える貴重な体験となるでしょう。

コース内の要所にカンセと呼ばれる馬を模した標識が設置されています。馬の頭が進行方向。

実はこの素材、とうもろこし由来の合成樹脂でできた生分解性なので、最終的には土に還り、自然へと循環していきます。環境への配慮も、オルレを楽しむうえで重要な要素といえるでしょう。

夏の終わり頃から秋半ばにかけて見られるアサギマダラ。この小さな蝶は春に本州の高原地帯を繁殖地とし、気温の低下とともに南の沖縄や台湾まで延べ２２００km以上を飛んでいきます。南下への中継地点である維和島は、アサギマダラにとっても秋の滞在地として、お気に入りの場所なのです。

維和島のてっぺんにある維和桜・花公園は、四季折々の草花が楽しめ、鳥のさえずりが聞こえる素敵な場所です。この公園の敷地内にひっそり佇む、一風変わった窯元「蔵々窯」があります。

天草陶石を材料に独創性の高い作品を次々と生み出す陶芸家の許斐さん。どこかユーモラスな味わいと自然の素材が醸し出す豊かな表情が、焼き物の楽しさを感じさせてくれます。

こちらで行なっている陶芸教室の人気の秘訣は、許斐さん自ら振る舞う「無料パスタランチと自家焙煎珈琲」。特に珈琲への造詣は深く、ハンドドリップの様子を見ているだけでも楽しめます。

もちろん、陶芸についても懇切丁寧な説明とデモンストレーションがあり、その人にあった制作方法を提案してくれます。乾燥後の釉薬掛けや焼成などは全てお任せとなるので、気軽に参加できる体験教室です。運が良ければ、ギター弾き語りライブや珈琲焙煎の様子も見れるかも。

透明度の高い天草の海にぴったりのアクティビティ、それがシーカヤックツーリングです。ツーリングガイドの船原さんの案内で、ひたすらパドルを漕いで進んでいけば、いつのまにか波の音以外は何も聞こえない広大な海のど真ん中。気分はすっかり冒険者のまま、カヤックでしか辿り着けない小さな無人島にも上陸できちゃいます。

以前はIT業界に身を置く広告マンだった船原さんが、シーカヤックツーリングガイドとして開始した「unplugged」。その名前にはプラグから離れた自然への畏敬の念が込められています。

マリンスポーツ初心者でも簡単に始められ、海の上を散歩しているかのような新感覚が話題の「SUP（スタンドアップパドル）」ツアーも来春スタート。さまざまなマリンスポーツが一年中楽しめる絶好のロケーションで、まだ見たことのない景色を体験してみては。

天草の海に囲まれた小さな林の中にある隠れ家的パン屋さん。体にやさしい素材を使用し、ご夫婦の丁寧な手作業で焼き上げられたことを感じるソフトな食感と素朴な味わいに、思わずほのぼのします。

もちろんマーガリンなどのトランス脂肪酸や添加物不使用。熊本県産の小麦粉とフランス・ゲランドから仕入れた天日塩、天然酵母のみで作られたシンプルなバゲットが人気です。

さらになんと、お店の建物から内装のテーブルや椅子など全て、ご主人のお手製。安心安全な厳選素材で作る心のこもったパンと、あたたかな木のぬくもりが魅力のお店です。